TEL:03-3234-2438e-mail:headoffice@ajhc.or.jp

日本医療法人協会ニュース 2024年2月号

協会ニュース一覧へ

巻頭言
 日本医療法人協会 会長代行 伊藤 伸一


会長メッセージ
 令和6年能登半島地震に寄せて
  日本医療法人協会 会長 加納 繁照


■新年のごあいさつ

■特別インタビュー
 能登半島地震における医療支援 ーAMATの活動参加を通じてー
  日本医療法人協会常務理事/医療法人済衆館理事長 今村 康宏

● NEWS DIGEST 医療界の最新動向
令和6年度診療報酬・介護報酬同時改定説明会のお知らせ
●独立行政法人福祉医療機構貸付利率表
●編集後記


巻頭言
 日頃の地道な訓練にこそ非常時の対応は裏打ちされる

日本医療法人協会 会長代行
社会医療法人大雄会 理事長
伊藤 伸一

 新たな年を迎えて、会員の皆様におかれましてはご清栄のこととお慶び申し上げます。旧年中は当協会の活動にご理解とご協力いただき、誠にありがとうございました。

 元日の16時10分、石川県能登地方に震度7の地震が発生し甚大な被害が出ました。犠牲になられた方のご冥福をお祈りするとともに、被災された皆様にお見舞い申し上げます。発災直後から会員病院のDMAT・AMATが出動し、被災した会員病院等への支援活動を実施しているところですが、今後、被災地域への中長期の支援が必要になってきます。

 今回の能登半島地震は、自然災害の恐ろしさを見せつけました。発生確率が高いと言われている東海・南海地震というリスクを抱えている地域にとっては他人事ではありません。地震被害軽減のための個々の防災対策の強化はもちろんですが、発災時の医療機能の確保のために、協会内での支援体制の再構簗が必要となってきます。

 また、大震災の翌日2日には、羽田空港で航空機の衝突事故が発生し能登地震の救援に向かった海上保安庁の職員5人が犠牲になりました。心から哀悼の意を表します。着陸態勢をとっていた JAL516便も炎上し焼失しましたが、379人の乗員乗客に1人の犠牲者も出さずに緊急脱出を成功させました。乗員スタッフには世界中から「奇跡の脱出劇」と賞賛が寄せられましたが、この奇跡は、日頃の地道な訓練に裏打ちされたものであることを忘れてはなりません。奇跡はしっかりと準備された体制のなかにこそ起こるのだと知らさ れた気がします。医療や介護に携わる私たちは、専門職として訓練に裏打ちされた行動が的確にできる体制を整備しておかなければなりません。

 さて、次期診療報酬の改定はNETでマイナス 0.12%、本体改定はプラス0.88%とされ、うち 0.61%が看護職種、病院薬削師その他の医療関係職種について、2024年度にベア+2.5%、25 年度にベア+2.0%を実施していくための特例的な対応とされました。しかし、標準的な一般病院の例として0.61%引き上げの対象とならない医師と事務職を除く人件費(含福利犀生費+退職金 等)比率が30%とすれば、ベア2.5%のアップで人件費が0.75%上昇します。

 つまり、今回のベアのための+0.61%では不足で、ベアを義務化されるど病院の持ち出しは避けられません。病院の機能・規模によってはその手当てが十分とは言えないうえ、光熱水費の急騰や食品等の高騰への対応がどのように織り込まれているのかは不明で、不透明感が残ります。

 今後の点数割りつけのなかでも熟考いただき、 今回の改定が民間医療機関の経営悪化を助長し、 地域医療崩壊の引き金にならないことを願ってやみません。。


~ご意見・ご感想をお寄せください~

 より良い誌面づくりのためにも、会員をはじめ読者の皆様からのご意見・ご感想をお待ちしております。宛先は事務局までお願いします。 (Eメール:headoffice@ajhc.or.jp

アクセス

東京都千代田区富士見
2-6-12 AMビル3階
TEL:03-3234-2438
FAX:03-3234-2507
E-mail:
headoffice@ajhc.or.jp