日本医療法人協会ニュース 2026年11月号

■巻頭言
日本医療法人協会 常務理事
医療法人医仁会 副会長
武田 隆久
■特別インタビュー/電子カルテ普及計画について聞く
更新時期を見極め標準化・情報共有、セキュリティへの対応を
厚生労働省政策統括官付医療情報連携担当参事官室室長補佐
赤池 敏紀
■特別レポート 地域の救急医療体制
救急搬送時の選定療養費徴収をどう運用するか
茨城県の取り組みと筑波記念病院の対応
医療法人社団筑波記念会筑波記念病院病 院長 榎本 強志
■自見はなこ参議院議員の国政レポート
「攻めの予防医療」で患者の健康と持続可能な医療を守る
■緊急報告/2026年度「病院経営定期調査」中間報告
診療報酬改定で改善の兆しも病院経営の厳しさ続く
■第41回全国医療法人経営セミナー開催のご案内
■ニュースダイジェスト
●独立行政法人福祉医療機構貸付利率表
●編集後記
日本医療法人協会 常務理事
医療法人医仁会 副会長
武田 隆久7月に新たな地域医療構想のガイドラインが出され、各都道府県で構想策定の議論が始まっています。京都府においても、構想区域の策定や見直しの有無について、各構想区域の調整会議で議論されています。
京都府は人口245万人で、北は日本海に面し、 南は奈良県、大阪府、三重県に接する南北に長い地形をしており、北から南に順に、丹後、中丹、南丹、京都・乙訓、山城北、山城南の 6つの医療圏に分けられています。
京都府は、京都・乙訓医療圏の人口が府全体の6割以上に当たる160万人近くの人口となっており、京都・乙訓医療圏は全国で5位の医師偏在指数の高い医療圏となっています。 一方で、丹後、南丹、山城南の3つの医療圏が医師少数地域となっています。
北部の丹後、中丹、南丹医療圏は人口も少なく、将来の人口推計でも大幅に人口減少がすることが想定されており、将来的には構想 区域の見直しの必要性がありますが、隣接する構想区域間で話し合いがなされていない現 状では、将来の人口減少を見越した深い議論には至っていません。
一方で、各構想区域で一番懸念されているのが、急性期拠点機能をどこが担うかということになります。
急性期拠点病院は、人口20-30万人に1か所という想定ですが、その基準では、北部や 南部地域では将来的に現状の構想区域を統合する必要に迫られ、非常に広域なエリアに1 か所という事になります。
拠点機能1か所という事になれば、病院の統合・合併の検討も必要になりますが、アクセスの面を考えると、広大なエリアを1か所 の拠点病院だけでは担いきれないという問題も出てきます。
今後、急性期拠点と高齢者救急・地域救急機能とに機能を分けるということになります が、脳卒中や循環器病の急性期対応を考慮す る必要があります。
現在、機能している一次脳卒中センター(PSC)や心カテ対応可能施設の将来の持続可 能性を検討しながら、急性期拠点病院にすべての機能を集中するのではなく、真に地域住 民の命を守れる救急医療体制を構築していくべきだと思います。
そのためには、2025年に向けた地域医療構想で、高度急性期と急性期の定義をあいまい にしたまま議論を進めた結果、混乱を招いたことを反省し、改めて、「3次救急」、「2次救急」、「高齢者救急」について言葉の定義を明確にしたうえで、医療機関機能についての議論が進むことを期待します。
今回のガイドラインのスケジュールでは検討期間がタイトであり、一気に2040年を想定 した構想を作るのは無理があり、2040年を見据えた構想を現実的な構想策定にするために は、中間での構想見直しの機会が必要ではないでしょうか。
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